浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1122話

本日も浄土宗神奈川教区テレホン法話をお聞きいただきましてありがとうございます。
9月も終わりに近づいて参りました。寝苦しい夜からも解放され、夜風の涼しさを感じるようになりました。つい先日も天気予報では「暑さ寒さも彼岸まで」と伝えられておりますが、正しく季節の変化を肌で感じられることでしょう。
さて、秋分の日を中日として、7日間はお彼岸ですね。皆様もご先祖様のお墓参りをされたかと存じますが、お彼岸とはどのようなものか、考えたことはないでしょうか。
彼岸とは、煩悩を脱した悟りの世界のこと。その反対に、煩悩や迷いに満ちた現世を此岸と呼ばれております。また、お彼岸のある、春分と秋分は太陽が真東から昇り、真西に沈むことから、東を此岸、西を彼岸と考えられております。そして、西方に沈む太陽を礼拝し、遥か彼方の西方極楽浄土に思いをはせることが、お彼岸の先祖供養の始まりともされております。
我々は悩みや迷いに惑わされる弱い人間です。お彼岸を機会に、悟りの世界に通じることは、西方極楽浄土の願主であられます阿弥陀様のご慈悲をいただく、何かのご縁ではないでしょうか。
まだお彼岸のお墓参りがお済でなければ、お墓参りと共に、沈む太陽に向けて「南無阿弥陀仏」とお念仏を唱えることもいかがでしょう。

次回は10月1日にお話がかわります。