浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1028話

浄青 常光寺 阿川 貫浄

 阿弥陀仏が、まだ法蔵菩薩と名乗っていた頃に立てられた、48種類のお誓いの第18番目に、念仏往生願といって、「往生を願って、お念仏を唱えれば、必ず仏様が救い取ってくださる」というお誓いごとがあります。
私のお寺では、法然上人の命日25日にあわせた、お念仏の集いを、毎月行なっておりますが、その中に数年前亡くなられた、お念仏にとても熱心で、声に特徴のあるお婆ちゃんがいました。
ある時、そのお婆ちゃんの御自宅に行き、お爺ちゃんと2人でお念仏を唱えている時のこと、女性の声が聞こえてくるではありませんか?「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」二人しか居ないはずなのに女性の声?と初めは疑いましたが、そのまま最後まで、女性の声と共に、唱えさせて戴きました。その妙に聞き覚えのある声・・・それは正しく、お念仏の集いに来て下さっていた、お婆ちゃんの声でした。なんと有り難い事でしょう。仏様と一緒にお念仏が唱えられるなんて、思ってもみませんでした。
ところで、一緒に居たお爺ちゃんにも、声が聞こえたのでしょうか?「いや、聞えなかったよ。でも、方丈さんに聞こえたのであれば、お母ちゃんがお念仏によって救われ、今は、ここに来てくれているんだね。よかった。よかった。」と涙を流されました。お爺ちゃんは、「私も、お母ちゃんのように仏様に救ってもらえるよう、これからも、お念仏を唱えさせてもらうよ。」と涙ながらにお話戴きました。
この時、法然上人のお念仏の教えによって、御夫婦を共に救って戴けたことに有難みを感じました。
その法然上人の記念すべき800年目の祥月命日が、来年です。
皆様どうぞこの有り難いお念仏をこれからも、法然上人への感謝、御先祖への感謝・供養、自分自身の功徳として、唱えて戴けることを願っています。
南無阿弥陀仏、無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏
 次回は、2月21日にお話が変わります。