浄土宗神奈川教区テレホン法話 第755話

 もうすぐお盆です。今年も暑い夏がやってきました。お寺にとって大切な月である反面、私共にとっては汗をかきかき檀家参り御施餓鬼会と一年で一番忙しい月でもあります。お盆なのに仏壇はホコリだらけ。お盆なのにいつあげたか分からない枯れた花。お盆なのにカチカチの仏飯。リンにいたっては消したマッチ棒でいっぱい。マッチもない。ローソクもない線香もない。私の檀家参りの必需品はライターやローソク、線香である。忙しいので仏壇の掃除が出来ない。忙しいので花を買いに行くヒマがない。忙しいので仏飯もあげない。忙しいので御先祖様には休んでもらう。忙しいので生きている家族の世話が優先だという。それだけではない近頃は、忙しいからうっかり忘れました。忙しいからお墓まいりに行けません。忙しいからお盆の供養はいいです。忙しいから御施餓鬼には行けません。忙しいから頼んだ塔婆たてといて下さい。忙しいから新盆の供養もできません。なと最近このような事を平気で寺へ云ってくる人がおりますいささか気になります。この調子では自分は忙しいので死ぬことはないと思っているのでしょうか。つい何ヶ月前、悲しみのどん底におとされ、代われるののなら代ってやりたいと嘆き涙にくれてすがりついたあの日の事をもう忘れてしまったのです。新盆だというのに忙しいので御施餓鬼にはおまいりできないという。親戚の者が代理でおまいりに行くので宜敷くお願いしますというのは何んとか許せるが、自分の父親又は母親なのにとあきれるばかりです。忙1しいという事にかこつけて先祖や親兄弟姉妹子供をないがしろにするのは自分が受けた御恩やおかげさまに気がつかない人であると思います。もうすぐお盆です。御先祖様をあたたか<おむかえ下さい。

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