浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1168話

京浜組東明寺 吉岡 了英

みなさんの家には、お仏壇が祀られていると思います。そして、その中には、阿弥陀様を中心にご先祖のお位牌が安置されているのではないでしょうか。また、お彼岸やお盆をはじめ、様々な機会にお寺にお参りし、お墓にお参りをします。私たちは、阿弥陀様、お仏壇、お墓を前にしたとき、自然に合掌しています。それは、仏さまへの敬いの気持ちやご先祖に対する報恩感謝の気持ちからかもしれません。
ご先祖というのは、名前、顔は分からないけれども、私という一つの存在が誕生するために必要であった、過去のすべての人間がご先祖です。誰にでも例外なく二人の親がいて、それぞれの親には二人ずつの親がいます。同じように計算していくと十代前には千二十四人、二十代前には百万人を超し、三十代前では十億人を超えています。
私たちは、両親をはじめとした、何人ものご先祖の命を受け継いで、今があります。自分だけのちからで生きているのではなく、たくさんのご先祖によって生かされているという報恩感謝の気持ちが先祖供養のこころであります。
毎日、お仏壇の前に座り、「南無阿弥陀仏」とお念仏をお称えしていると、阿弥陀様の温かい慈しみの心が伝わってきます。私たちは阿弥陀様に守られ、ご先祖によって生かされていることが実感できるのです。

次回は6月の始めにお話がかわります。