浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1075話

皆様は生まれ変わったなら次は何になりたいですか?
おそらく、どなたでも一度は考えたり話したりした経験がある事だと思います。

私達は過去世から現世、そして来世へと言う6道輪廻を繰り返しているのです。
6道輪廻とは、天人の住む天道、私達のいる人間道、争う世界の修羅道、動植物の世界の畜生道、飢えの苦しみを味わう餓鬼道、地獄道の事を申します。この6道の何処に転生するかは自分で選ぶ事は出来ず、善因楽果、悪因苦果によって転生先が決まるのです。善因楽果とは良い行いに対して得られる良い結果の事で、悪因苦果は悪い行いに対して起こる悪い結果の事です。

例えば、畜生道の魚として生まれ、人間に食べられたとします。その人間の命を繋ぐ事は出来ましたが、その食べた人間が繋いだ命で悪い行いをしたとします。それでは悪行の手助けとなってしまったので善因楽果を受ける事が出来ないのです。
そんな途方も無い生死を繰り返し、何かしらの善意楽果をたまたま得る事が出来て、私達は今、人間道に産まれる事が出来たのです。

さらには、法然上人の浄土宗に出会い、南無阿弥陀仏と申すこと事で、苦しみの6道輪廻から抜け出し、阿弥陀様のお作りになられた極楽浄土へ往生できる千載一遇の機会を得ているのでございます。
人間道のみ助けを求める声を発することが出来、その助けを求める声に答えが用意されている世界なのです。

私達は罪深き愚かな凡夫ですので日々、南無阿弥陀仏と申して往生するときの功徳を積む必要があるのです。法然上人のお言葉で、行は一念十念猶むなしからずと信じて無間に修すべし、一念猶生まる言わん況や多念をや。とある様に、一念でも往生出来るなら、十念、百念と更に増やし、極楽浄土への往生を確実なものにする為、毎日、毎日お念仏を申す必要があるのでございます。

次回は6月11日にお話が変わります。