浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1043話


先日、私の友人に「お盆の時には、先祖は何処に帰ってきているの?」と聞かれました。私は、友人が何を聞いているのか意図が分からず、「どういうこと?」と聞きました。すると「だって、お盆には、お坊さんが来てくれて、家の仏壇で拝んでくれるでしょ?でも、お墓参りにも行くよね?よく、お盆には、家に帰って来るというけれど、どっちにいるのかと思って・・・」正直、私は返答に困りました。しかし、私なりに考えて友人に伝えたことをお話したいと思います。
お仏壇に帰ってきていらっしゃるか、お墓に帰ってきていらっしゃるという実質的なことではなく、お参りする皆様の心の中に帰ってくるのだと私は感じています。年間行事や、法要の時だけお仏壇や、お墓をきれいにするのでなく、普段の生活の中でお供えやお花を手向ける気持ちを持ち、手を合わせることができるかどうか?ということが大切だと思うのです。今、自分ができることを一生懸命することが、ご先祖様を敬い、自分自身を高めていくことに繋がるのだと思います。また、このような親の姿を見て育った子どもたちは、少なからずとも今の悲しい事件に惑わされることはなく、家族の心のつながりを感じ、自尊心を培っていくのではないでしょうか?よく、「子は親の鏡」と言います。みなさんの普段の仏様に対する気持ちが自然と子どもたちに伝わり、その家の家風として受け継がれていくことでしょう。だからこそ、いつでも家族揃ってお仏壇をきれいにし、お墓を訪れ、お線香をあげ手を合わせてください。そして、ご先祖様、仏様がご家族にとって心のより所にしたいものですね。

次回は7月21日にお話がかわります。