浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1023話

鎌倉組 生往寺 脇川正暢

いよいよ12月も押し詰まり、大晦日には鎌倉の岩戸に除夜の鐘の音が響く事でしょう。
 さて、皆さん、最近何か悩み事はありませんか。私は、今、この原稿を書く事に大変悩んでいます。人間いつまでたっても悩みは尽きませんね。最近よく聞くのは、主婦の方が育児、子育て、教育の問題で悩んでいるとか、若い方が受験や就職、恋愛で悩んでいるとかの話です。仕事上の悩みでも、近所付き合いの悩みでも相手の人間がいて、その人とのかかわり合いの中でトラブルが生じた場合が多いですね。そして、問題がなかなか解決しない、色々試しても思うような良い結果にならない、どうしたら良いかわからないという状況が続き、悩みとなる訳ですね。
 それでは、相手がいるのならば、自分の利害を全て捨てて、相手の人間が良くなるように喜ぶように考えたらどうでしょう。前回お話したように、人間は1人1人価値があるのですから、相手を大事に大事にして、自分が生きているのは相手のお陰だと思って、相手と接してごらんなさい。きっと、悩みは解決することでしょう。太り過ぎの悩みだとか勉強の悩みなど個人的なものは自分で解決できるでしょう。相談所や親しい人に相談するのも良い方法です。
 生きている限り、悩みはついてまわりますが困難を乗り越える努力を重ね、自分を反省し、角度を変えてものを見る事も必要です。悩みには、不安をよび心配をよびます。その時、自分には信頼できる良き相談者が必ずいると思えば、とても安心できますね。自分のすぐそばに悩みを救って下さる方がいるとわかれば不安は無くなります。その方が仏様です。法然上人は、阿弥陀様の救いを信じて念仏をたくさん唱えなさいとおっしゃいました。悩みは、自分の努力と仏の救いを信じる心でより早く解決する事ができるでしょう。