浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1022話

鎌倉組 生往寺 脇川正暢

12月も中旬になり、せわしなくなってきましたが相変わらず殺伐とした事件が発生しています。前回、あなたが人間として生まれたことの幸せと自分の命の尊さについて話しました。あなたは世界で唯一の存在で、価値ある者です。当然、あなた以外の他の人全てが貴重な命を持っていますね。全ての人間の価値はあなたと同じですね。だから、人を傷つけたり、人に迷惑をかけたりできませんね。次に、人間同士のかかわり合いについて考えてみましょう。自分を育ててくれた両親やご先祖とのつながり、地域の人とのかかわり、社会を構成する人々とのかかわりなど、人間はたくさんの人達とのかかわり合いの中で生きています。それでは、会った事も無い人や遠い外国の人、自分とは関係無いと思っている人とはかかわりは無いでしょうか。今、あなたが使っている品物は誰が作ったものでしょうか。食べている物の材料は輸入された物かもしれませんね。全ての品物は必ず誰かの手がかかわっています。目に見えるつながり目に見えないつながりがあり、かかわり合い無しには生きていけません。
 このかかわり合いは、人間同士だけでなく人間と他の生物、人間と自然界との間にもあります。理科で学習した食物連鎖のかかわり合いと同じように、自然界の全ての物や事象は、一つの輪のようにかかわり合いながらつながっています。10月の法話にもありましたように仏教では、かかわり、関係を「縁」といっています。
 浄土宗開祖の法然上人は「縁をしっかりと認識して相手を尊重して、互いに認め合い、感謝し合いながら生きていきなさい。」とおっしゃっています。「人々を救って下さる阿弥陀如来と仏縁を結び、南無阿弥陀仏と念仏を唱えなさい。」とおっしゃっています。
 次回は12月21日にお話がかわります。