浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1005話

小田原組 報身寺 荒井 呉仁

最近は片付けられない症候群など自分の家の中を片付けることができない人が多いということを耳にしますが、以前読んだ本にトイレ掃除をすることが5つの心を育む上で最も確実で一番の近道であると書かれておりましたので、紹介したいと思います。
その5つの心とは
1つ目が 謙虚な心
2つ目が 気づく心
3つ目が 感動の心
4つ目が 感謝の心
5つ目が 心を磨く
ということです。
トイレ掃除をすることでこれらの5つの心を育むことが出来るというのです。心を取り出して磨くわけにはいかないので目の前のものをきれいにする。人の嫌がるトイレを奇麗にすると、心も美しくなる。人はいつも見ているものに心も似てくるといいうことであります。
私にとってこれら、5つの心というのはどれも成長する過程で親や先生から何度となく言われてきたことでありますが、実際に身につけることは大変難しいものであります。しかしトイレ掃除をするだけで5つの心を育むことができるのです。
 仏道に励む小僧の世界でも日頃の修行として、
一、掃除 二、勤行 三、学門と言われております。仏の道を志す者ならば、お経を唱えたり、教えを学んだりすりことの方が重要に思われますが、実は、毎日の掃除というものが最も大切なこととして位置づけられているのです。自分の部屋、身の回りの掃除は殆どの人が進んで行うことができるのではないでしょうか。しかしその一方でトイレに限らず、公共の場所などにゴミが落ちていても拾う人が少ないのもまた事実であります。子供は親や大人の行動をみて学びます。これからの子供たち、孫たちに綺麗な心になってもらうためにも日々私達大人が実践していきたいものでございます。
                     次回は7月1日にお話がかわります。