浄土宗神奈川教区テレホン法話 第965話

三浦組 小松崎成淳

世間には三日坊主という言葉があります。計画を立てることは誰でもするのですが、それを長く続けることは大変なことです。四月の初めに目標を立てた人もこの時期は忘れがちになるころです。 わたしたちは、悩み、苦しみが続くと、色々な宗教にたよったり一心に仏様を拝んだりします。ですが少し良くなるとやめて、忘れてしまいます。 このような姿を「火の信心」と申します。一時は火が燃えさかるように熱心になるのですが、いつのまにか消えてしまいます。 その反対に、目立ちはしませんが、いつまでも続けている姿を、「水の信心」と申します。 川の水は、たとえ細くても、止まることなく流れ続けています。この姿が大切なことです。 「精出せば、凍る間もなき、水車かな」 私たち人間は、どちらかと言えば、苦労を嫌って安易を求めがちです。一度怠け癖がつくと、なかなか立ち戻ることができません。何事も継続することが大切です。 浄土宗ではお念仏を継続することが大事であります。 法然上人は一日に6万遍から多い時は7万遍もお念仏をお唱えされたと言われております。

お念仏は、老若男女、誰にでもできる実践の修行です。
歩いておっても、座っておっても、止まっておっても、横になっておっても、まだ他にもあげることができますが、どんな時でも唱えて良いと、法然上人はおっしゃてみえます。 「手と足は忙しけれど南無阿弥陀部 口と心の ひまにまかせて」 どのような状況・心境のなかでも、その場、その心のまま、念仏をお唱えください。繰り返しお念仏を唱えることによって身になって気付いていく、そして私たちの拠所になっていくものなのです。

念仏をお唱えすることは、阿弥陀様の御心にかなった修行であります。毎日の日暮しの中で、お念仏が一口でも多く、また、繰り返し唱えていくことが出来れば、最後臨終の時は必ず阿弥陀様のいらっしゃる西方極楽浄土へ往生することが出来る。また、この世においては、苦しみが苦しみでない心とならせていただくものである、と法然上人はお示しになっておられます。
皆様にもその様な心でお念仏を継続していただきたいと思います。

「次回は5月21日にお話がかわります。」