浄土宗神奈川教区テレホン法話 第851話

 寒い冬もあと少し、木々の緑が芽吹く春のお彼岸の季節となりました。
 私たちが今生きている迷いの世界を「此の岸」といい、阿弥陀様がいらっしゃいます悟りの世界、西方極楽浄土を「彼の岸」彼岸と申します。
 それではどのようにすれば、私たちはこの迷いの世界から悟りの世界、阿弥陀様のもとへ渡ることができるのでしょうか。
 それには春分の日の前後六日間に、六波羅蜜という六つの修行をしなければなりません。
  一つ、布施といい他人に施しをし情けをかけるということ。
  二つ、持戒といい約束や規律を正しく守るということ。
  三つ、忍辱といい堪え忍びいつも仲良く生活するということ。
  四つ、精進といい何事にも真面目にはげむということ。
  五つ、禅定といい心を落ち着かせ心を乱さないということ。
  六つ、智慧といい正しく物事を見極める心を持つということ。
 お彼岸とは、こうした仏教の教えを実践し六波羅蜜の努力をすすめる期間でもあるのです。
 人として充実した日々への道しるべを教え示しているのです。
 しかし、欲しいものがすぐ手に入り、様々な情報が氾濫する今の時代、私たちにとっては最も難しいことではないでしょうか。
 そんな私たちに法然上人はお教え下さっております。
 「お念仏をお称えなさい。阿弥陀様が必ずお迎えに来て下さいますよ。」と。
 ご先祖様を偲び、供養すると共に「彼の岸」阿弥陀様のもと「西方極楽浄土」に往生できるよう、法然上人をお慕いしお念仏をお称えして参りましょう。

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