浄土宗神奈川教区テレホン法話 第833話

 今週もご詠歌講員の話されたことどもを、お伝えします。
 ・・「お母さん、今日、久し振りにお墓参りに行ったら、お墓への登り口に立っておいでの、六体のお地蔵さんの赤い帽子と赤い前垂れが色褪せてしまっていた。お地蔵さんのお顔が白く痩せて見えて気の毒だった、私も作るから、お母さん作って!」と他家にお嫁に行った娘が申して来ました。早速娘を呼んで一緒に帽子と前垂れを作りました。「負うた子に教えられる」とはこのことか、ご詠歌の稽古の日に、取り替えました・・との有り難い報告です。
 樹令四百年を超える「サルスベリ」の古木の下のそのお地蔵さまは、真っ赤な帽子、真っ赤な前垂れとすっかり衣替えをして木々の緑の中でお参りの人々に、にこやかにほほえんでおられます。
 さて、お地蔵さまは地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六界をそれぞれ担当し、苦の世界からの救出を続けて下さっておられます。「人間はこの六界=六道を生まれかわり、死に変わりしている」のです。
 ご先祖さまには、六道を輪廻(りんね)することなく、仏さまのお国に生まれていただきたいものです。私達の目の前にも、突然六道の迷い辻が現われます。
 夫婦の不和、親子のすれ違い、嫁・姑の争い、子どもの非行、どれもこれも放っておくと大事件になりかねません。
 このようなことが持ち上がった時、正しい道を示して下さるのが仏さまです。
 お寺にいらしたら、又お墓参りに見えたら先ずお地蔵さまにお参りして、和やかな、明るい毎日を過ごしていきましょう。
 お地蔵さまは必ず合掌する私たちの見方になって下さいます。

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