浄土宗神奈川教区テレホン法話 第815話

 前回、法然上人が私達の為に南無阿弥陀仏というお念仏を見つけて下さったと言うお話をしましたが、今回は私事ではありますが1つのお話をさせて頂きます。
 先日、私は祖父を亡くしました。生前祖父の手を取り家路を歩いていると突然、祖父が「そろそろ阿弥陀様のもとへ行くかのう」と西の空へ手を合わせ「なむあみだぶ、なむあみだぶ」とお念仏を称えました。その時の表情は目が輝き、ほがらかな幸せそうな顔をしていたのを覚えています。
 それから数年後、祖父は倒れ寝たきりになってしまいました。家を訪ねるといつも帰り際に「南無阿弥陀仏、ありがとう」と笑顔で言ってくれました。
 容体が急変し何か私に出来ることはないかと思いましたが、何も出来ません。本当に自分は無力だと痛感していると、心の中から祖父がいつも称えていた南無阿弥陀仏というお念仏が浮かび上がってきました。
 その時、そうだ、祖父には法然上人の教えを信じ南無阿弥陀仏とお称えするお念仏という心強い味方がついているのだ、と確信し救われる思いがしました。
 これからは西方極楽浄土の阿弥陀様のもとで私を見守り、導いていただけることと思います。
 1人でも多くの方にこのありがたいお念仏に縁をもっていただき、お念仏を信じお称えする充実した人生を送ってほしいと思います。