浄土宗神奈川教区テレホン法話 第716話

阿弥陀様と出会う
 今年も早いもので梅雨の季節となりました。梅雨の季節が大好きだという方は少ないとは思いますが、雨という日もたまにはいいものです。ところで皆さんはこんな経験したことがありませんか?駅を降りたら雨が降ってきました。傘をもっていてよかったと駅を出ようとした時にふと見ると1人雨のため動くに動けない老人がいました。「一緒に入っていきませんか?」声をかけようと思っているうちに老人は雨に打たれながら駅を離れてしまった。ああ声をかければよかったと後悔してしまったそんな場面を経験したことありませんか?
 このことを私たちが阿弥陀様と出会うときと同じと考えたらどうでしょう。私たちが阿弥陀様と接するときに「南無阿弥陀仏」とお念仏を申します。浄土宗のお念仏は称名念仏が基本です。なぜならば、口で「南無阿弥陀仏」とお唱すれば、阿弥陀様は凡夫である私たちでも、必ず救ってくださるお誓いをお立てになられているからです。
 だから、心で思っていても阿弥陀様と接することはできません。口で「南無阿弥陀仏」と称え実践することで私たちは阿弥陀様とはじめて出会えるのです。
 さて、先ほどの雨の中立ち去った老人の話にもどります。老人にすっと傘を出し「一緒に参りましょう」と一言いう勇気が功徳を積むのです。
 実践する事、そのほんの少し勇気のそばに阿弥陀様は必ずおられるのです。

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