浄土宗神奈川教区テレホン法話 第689話

「健康こそ人生の最大の宝也。」
と言われるように人生にとって健康は大変価値ある尊いものですが、生身の体はいろいろなことが原因で、病んだり怪我をしたりします。取り分け高齢者には切実な問題で、高齢化杜会を向かえて大きな課題と言えましょう。
 法然上人のお言葉に、「如来の慈悲は、重く受くべき病を軽く受けさせ給う。」とあります。出来れば病気にはなりたくないのですが、生涯病気と一切無縁に過ごす事もなかなか無理なようです。それならば、病をただ単に悲嘆絶望に止めるのではなく、真の人生を見つめ見出す機会としてとらえられないでしょうか。
 単なる時間の経過としてではなく、生き方を意識し、見つめ考える事で、自分の無力さに気付かせて頂き、それを諦めとするのではなく、無力さの中に生かされている自分を見つけ出したいものです。不平や不満をぶつけたり、自分に同情や関心を求めるのではなく、廻りの人たちに感謝を持てるようになりたいものです。信頼は最良の友となるでしょう。安心は最良の宝となります。
 お念仏を称えれば阿弥陀様はいらっしゃいます。阿弥陀様は何時でも何処でも絶対の大慈悲をそそいでくださる仏様です。阿弥陀様にすべてお任せすることで、心の支えを頂き、真の生き方を見付け歩んで参りたいものです。

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