浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1185話

昨今、お寺におりますと、参拝された方が様々な種類の帳面をお持ちになり「御朱印をお願いします」と言われる光景をよくお見かけ致しますが、皆様御朱印というものをご存知でしょうか。
御朱印とは紙に各寺社の御本尊様やお名号、参拝された日付、寺社の名前を書き、寺印などを押したものです。
その起源は、色々な言われはありますがお経を書き写す「写経」をお寺や神社に納めた証として頂けたものとされており、「納経印」とも言われております。
しかしいつの頃からかこの作法が簡略化され、写経を納めずとも御朱印が頂けるようになり、納経された証ではなく、参拝された証としての意義が強くなって参りました。
そのため現在ではお寺や神社に参拝した記念として御朱印を集められる方も増えてきました。
御朱印を集められている客層も様々で、テレビや雑誌などの影響もあり特に最近では若い方で御朱印を求められる人が増えており、「御朱印ガール」という言葉まで生まれているそうでございます。
学生さん達が友達同士でお寺を回られたり、小さい子供が親御様と一緒に御朱印帳を差し出される姿は見ていて大変微笑ましく思います。
御朱印をお求めになる方の中には阿弥陀如来とは何か、南無阿弥陀仏とはどういう意味なのかなど質問を投げかけてこられる方もおられ、宗教離れが進む今、普段仏教と接点がない方もきっかけはどうあれお寺に参拝して頂き、仏教に興味を持って頂けるというのは素晴らしいことだと思います。
御朱印集めというのは観光地を巡るスタンプラリーでは御座いません。
御朱印をお求めになる際に間近でお釈迦様の教え、宗祖様の教えに触れて頂く事で、その意味を知り、自らを見つめ直す機会として頂ければ幸いで御座います。

次回は2月の中頃にお話が変わります。