浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1148話

港北組 龍雲寺 平元 正法

毎日暑い日が続きます。皆様体調など崩していませんでしょうか。今回は極楽浄土に往生することの素晴らしさについてお話したいと思います。
私ごとで恐縮ですが、今から九年程前、タイのある村で話のこじれから三日間ほぼ軟禁状態にされました。恐怖のあまり着のみ着のままパスポートと現金だけは持って日本に逃げ帰りました。今になってやっと当時を冷静に振り返ることが出来るようになりました。
その時は、心錯乱し、心転倒し気が狂わんばかりになってしまい、気が付くと自傷行為に至っていました。不思議なことに少しも痛くありませんでしたが、家の横の電線にカラスが20羽程集まっていたのが印象的でした。
その後、ショックのため一週間何も食べず、体重が15キロも減ってしまいました。幸いにも命に別条はありませんでしたが、数々の貴重な体験をすることが出来ました。
体外離脱もしました。斜め横10メートルくらいの高さから救急車に乗った自分を見ていたのです。
地獄のほんの入り口も体験しました。ハンバーグの焦げたような臭いにおいがし、気持ちが悪く大変辛い思いをしました。後で母に言われたのですが、畳の上でのたうち回っていたそうです。
それから数日すると、今度は極楽浄土のほんの入り口を体験しました。本堂の廊下に座っていると、この上なく素晴らしい香りがし、最高の気分を味わっていました。次の日にはお粥が出されましたが、それまで味わったことのない極上の美味しさでした。ほんの入り口でさえそれ程素晴らしいのです。
地獄や極楽は本当にあると、この体験を通して実感しました。又たとえ地獄に落ちたとしても、お念仏を称えればその功徳によって極楽浄土に往くことも出来るのです。
皆さんもお念仏を身近なものにして極楽浄土に往生してください。「ナムアミダブツ」

次回は、8月の初めにお話が変ります。