浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1086話

港南組 正覚寺 石川覚順

今日彼岸菩提の種を播く日かな  今日彼岸菩提の種を播く日かな
お彼岸を迎えました。ご先祖様を供養する時季です。と同時に、この期間は善行悪行共に 過大な報いを生ずる特別な期間であると考えられているので、一般に、悪事を止め善事に 精進するよう勧められています。冒頭に詠んだ歌の様に、悟りへの種を播くべき時なので す。具体的には古来、中日に先祖に感謝し、残る前後6日間に六波羅蜜を修めました。 現在私たちは亡き方の為にお墓参りし供養致しますね。
遙か西の彼方に確かに極楽浄土を感じながら、真西に沈む太陽の方向を拝んで往生極楽を 願い、亡き方々に思いをはせたのが彼岸の始まりであります。
日々お念仏し、阿弥陀仏のお名前を称える私たちには、理解し易いでしょう。
「仕事に忙殺されてなかなかお念仏ができません」という村人に対して、宗祖法然上人は 「くせになるように念仏しなさい」と仰せられたそうです。「くせ」とはなかなか味わい のあるお言葉ですね。くせと言えば、なくて七癖あって四十八癖といいます。自分の癖に はなかなか気づかないものですし、さらに又、直そうと思ってもそうた易いものでもない のが癖というものでしよう。ですから上人は、あたかも口ぐせであるかの程に念仏する様 になれは良いと仰せられて、これはもう理想とも言えるでしょう。
そもそもお念仏こそが、阿弥陀様が直接私達の為に示された本願の修行法なのですから、 お念仏それ自体が仏様の御心に従った行いであって、正しく最高の善行なのです。
 最後に、法然上人が仰せられたように、くせのように自然に口についてお念仏が出てく るようになればしめたもの。極楽往生まちがいなし。毎日をすがすがしく送れるようにな るでしょう。皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
 阿弥陀親様の限りない御恵みがありますように  南無阿弥陀仏

次回は10月1日にお話が変わります。