浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1020話

高座組 生往寺 坂本 慎成

感謝という気持ちは、日々の生活であるかないかによって幸せか不幸せかを左右してしまいます。皆さんは感謝の心で日々を過ごされているでしょうか?
 しかし、感謝というと私たちは、何かの恩を受けたから感謝する、何かを頂いたから感謝するといったように考えていないでしょうか?確かにそうなのですが、そうだとすると恩を受けないから感謝しない、何かモノを受け取らないから感謝しなくてもいい、といったような考えになってしまわないでしょうか?すると、何もない日は感謝しない日になってしまいます。また、与えられた恩恵に対価を払えばそれでチャラ、それ以上の気持ちは排除したほうが楽といった無機質な考えに陥ってはいないでしょうか?
 おかげさまという言葉があります。
皆さんもご挨拶に使うこともあるかと思います。このおかげさまのおかげというのは人の力添えという意味と神仏の加護という意味もございます。私たちはもちろん人の力添えなしでは生きて行けない存在でありますが、仏様のお力なしでは迷いの世界を輪廻するだけであります。こうして人間として生を受け、仏様の教えに遇うことが出来たことは有難いことで、おかげさまと感謝するばかりであります。感謝の日々を過ごすことができるのであります。
 今月23日は勤労感謝の日でございます。
勤労感謝の日は、勤労を尊び、生産を祝い,国民が互いに感謝しあうとする日ということであります。私たちの身の回りを見渡してみても、誰かの尊い労働によって生産されたものばかりです。おかげさまの世界に住まわせていただいております。こんなにぜいたくなこともありません。しかし、日々の生活のなかでのありふれ過ぎたぜいたくによって逆に気づきにくくなっているかもしれません。
 是非、この吉日におかげさまの気持ちで、あらゆるものに感謝し、仏様、阿弥陀様に感謝のお念仏をされてはいかがでしょうか 。