浄土宗神奈川教区テレホン法話 第1013話

港北組 専称寺 夏見 直貴

まもなく秋のお彼岸がまいります。お彼岸といえば皆様、お墓参りに行
かれると思いますが、お墓参りには必ずお線香を持参されます。
本日はお香について簡単にお話しいたします。
お香は、古く日本書紀によると淡路島にお香がたどり着いたことが、日本におけるお香の文化の始まりとされます。
当時、香木は単なる流木として焚き木にしたそうです。ところが、驚く程いい香りがしたため、島の人々は、朝廷に奉納したそうです。香木は聖徳太子のもとに届き、太子は木を彫って観音像を作り、余った香木を仏前でたいたという伝説があります。その様な伝説もあり、仏教では仏様に香りを捧げることを重要なこととして考えてきました。
ある経典には、香を聞くを以って佛食と為すとあり、仏様に香を捧げる行いをひとつの供養といいます。
お香は、華やろうそくとともに仏前供養の基本であります。お香は、仏
様や亡くなられた大事な方々の食べ物であると古くから考えられてきました。また、お香は私達にとっても心身を清め、空気を清めてくれま
す。
香の十徳という言葉がありますが、一休禅師(ぜんじ)によって日本に紹介されたと言われます。お香をたくことによって得られる10の功徳のことです。
一定の決まりや作法に基づいてお香を聞く、香道があります。
香道は、室町時代に成立したものです。
お香を聞くとは、お香をたくことですが、身近だとやはり、仏壇です。
仏壇でお線香をたく時に浄土宗では、1本を立ててたくこととされています。
3本をたく時は仏法僧に帰依する意味とされます。
お香は、仏様の食べ物、そして私達の気持ちを静め、心を清めてくれる
ありがたいものです。
次回は9月21日にお話しが変わります。